依頼者プロフィール
- 業種
- 販売業
- 従業員数
- 8名
- 年商
- 約4000万円
- 社歴
- 約10年
- 債権者数
- 約20社
- 負債総額
- 約2300円
相談時の状況、相談のきっかけ
雑貨のネット通販業を営んでいた。当初は、業績も順調だった。しかし、雑貨も商品により流行り廃りがあり、売上もそれに大きく左右された。ブームのころはよかったが、それが去ると売り上げが落ち、安定した経営が難しかった。また、ネット販売は、ライバルサイトの出現で、客を奪われることも多く、これも売り上げ減の原因となった。多くのネット通販がそうするように、ヤフーや楽天などの仮想商店街(モール)への出店も行い売上増を目指したが、うまくいかなかった。
朝雲法律事務所を選んだ理由
破産・倒産に詳しそうだったから
解決までの手順
⑴ 平成■年 8月 受任
いつものことですが、受任後早急に債権者に通知を送り、返済の督促を止めました。
⑵ 受任~申立
・ 事務所を構えていたため、弁護士のアドバイスにより、早急に退去しました。
・ 代表者が自宅を有していましたが、ここも早急に退去しました。
・ 10名弱いた従業員について、給与、解雇予告手当を的確に支払いました。
・ 物販による売掛金の回収に勤めました
⑶ 平成■年 10月 申立
裁判所から直ちに開始決定がなされ、管財人の選任がされました。
直ちに、管財人への現預金などの財産、決算書等の書類を引き継ぎました。
⑷ 平成■年 1月 第1回債権者集会
⑸ 平成■年 3月 第2回債権者集会
⑹ 平成■年 5月 第3回債権者集会
この時点で、財産の回収が終了したため、債権者の皆様への配当を開始
代表者の破産手続が会社より一足早く終わり、代表者の免責決定
⑺ 平成■年 8月 第4回債権者集会
同月 破産事件終結、代表者の免責決定。
⑻ まとめ
未回収になっていた、小口の債権があったため、財産の換価、回収に時間がかかり、手続きには比較的長期間を要しました。
しかし、破産手続に長期間を要しても、代表者の生活に対する制限は、郵便物が管財人の事務所の一旦送られ取りに行かなくてはならない、2ヶ月に1度程度の債権者集会への出席のため裁判所に行くなどの一部の点を除き、大きな制限はなく、就職し、収入を得ており、生活に支障はありませんでした。
弁護士が見た事案解決のポイント
① 破産申立に至るまでの的確な資金計画
法人破産の場合、会社代表者も同時に破産すると、管財人(裁判所に選任され財産の管理、換価、回収業務をする弁護士)の費用として最低でも20万円×2=40万円に加え、依頼した弁護士の報酬、事務所など会社施設が賃借だった場合の退去費用、従業員の給与及び解雇予告手当(1か月前までに解雇を予告していなかった場合、給与1か月分の支払い義務がある)、場合により決算を税理士などに依頼する費用などが必要です。
本件のような物販事業の場合、破産準備に入る直前まで営業しており、前月の売り上げがすぐに入金されること(店舗営業ではないので、現金収入とまではいかないが、販売~回収までのサイトが短く、売掛金の回収が早期にできること)から、破産申立費用は比較的容易に準備できました。
また、弁護士の的確なアドバイスにより、申立に必要な費用、特に退去費用、解雇予告手当の必要性などを事前に十分に理解して、動いたため、破産申立に至るまでの的確な資金計画を立てることができました。
② 借入先の銀行に入金された売掛金を回収
売掛金の一部が借入先の銀行に入金されました。しかし、弁護士の受任通知が債権者に到達(一般に「支払い停止」といいます)した後に銀行口座に入金されたお金については、銀行のほうから貸付金と相殺することが法律で禁止されている。
この点、代表者様だけでは、このような知識がないため、借入先銀行の口座からの回収は困難だったかもしれませんが、弁護士が、銀行の担当者にその点を指摘した。管財人に引き継ぐと言って、引き出しに協力しない銀行もいるが、申立費用に必要であると粘り強く交渉し、銀行にもご協力いただき、引き出させてもらったため、破産費用が捻出できた。
③ 従業員への給与・解雇予告手当の的確な支払い
従業員が10名弱いました。破産の場合、ぎりぎりまで従業員に解雇の通知をしにくい場合が多く、その結果1か月前の解雇予告ができず、解雇予告手当として、1ヶ月分給与を余計に払う必要があります。
本件でもそうなりましたが、上記の通り、費用のねん出ができたので、従業員への支払いが滞ることなく、(解雇の点は大変申し訳なかったのですが、それ以上には)従業員に迷惑をかけずに済みました。
解雇予告手当の支払も、支払が必要であることをご存じない代表者もおられますが、弁護士の的確なアドバイスにより、支払い漏れはありませんでした。
④ 申立前の会社事務所の退去、原状回復
事務所や店舗は、申立前に退去し、原状回復しておいたほうが、裁判所にも好まれます。退去が完了していない場合、管財人に払う予納金が、最低限の20万円から増額する恐れもあります。
この点、弁護士のアドバイスにより、事務所、代表者の自宅とも退去、原状回復してから申立をしたため、管財人の手を煩わせることもありませんでした。
⑤ 管財人による財産の換価、回収業務への協力
ア 管財人への正確な在庫の報告➢管財人による速やかな換金行為への協力
本件は雑貨の物販業だったので、金額は多くなかったものの大量の在庫商品がありました。そこで、弁護士のアドバイスにより、棚卸や帳簿により在庫リストを作って、簿価(仕入額)などもきちんと記載し、管財人に引き継ぎ、在庫商品もしかるべきところに保管しておりました。このため、管財人も、簿価(仕入額)の把握が容易にでき、在庫の処分額の決定もやりやすく、また処分についての裁判所の許可も得やすく、管財人によるスムースな在庫の処分・換価の一助となりました。
イ 決算書から営業保証金を丁寧に拾い上げ、管財人に報告し、回収に協力
また、弁護士が、仕入先に対する営業保証金を、決算書から丁寧に拾って管財人に報告し、管財人の営業保証金の回収にも協力しました。
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