手続きに必要な書類について
「手続きに必要な書類ってたくさんありそう・・・」
「必要な書類がいくつかあるって聞いたけど全然わからない」
「手続きをしなきゃいけないのはわかったけど何からすればいいのか・・・」
裁判所に自己破産を申し立てるには様々な書類を揃える必要があります。
給料明細や源泉徴収票、通帳のコピーなどに加え、借金をそれぞれ業者ごとにまとめて表にする債権者一覧表という書類も用意しなければなりません。
必要書類には大きく「書式に記載するもの」と「ご自身で用意するもの」の2つに分かれます。
必要書類について簡単にですが解説いたしますのでご覧ください。
破産申立書・免責許可申立書
破産申立書・免責申立書は、簡単に言うと自己破産の申し込み書のようなものです。
各地方裁判所で用意されているひな形に必要事項を記入します。
実際に記入しなければならない項目は申立人の基本的な情報ですので、特に問題なく記載することができます。
具体的には“名前”、“生年月日”“住所”くらいです。
現住所と住民票上の住所が同じ場合は、住所は書かなくていいですが、違う方は、現住所を書かなければいけませんので、注意が必要です。
1-1.各項目の記載の確認
①日付欄
書類を記入した日付けを記入します。
②印紙・郵券
郵便局にて購入しますが、弁護士に依頼した場合は、お預かりした実費から準備いたします。
③氏名
住民票に記載されている正式な氏名を記載します。
④生年月日
住民票に記載されている正式な生年月日を記載します。
⑤住所
現住所と住民票上の住所が違う場合は現住所を書かないといけませんが、同じ場合は、別添住民票のとおりのところにチェックを入れればいいです。
手続きには不安がつきものです。
少しでもわからないこと、悩んでいること、不安なことがありましたら、お気軽に当事務所までご連絡ください。
勇気を出して相談し、弁護士と共に借金問題を早に解決しましょう。あなたの人生の再スタートをお手伝いいたします。
陳述書
「陳述書を書かなければいけないって聞いたけど、書き方がわからない・・・」
陳述書は借り入れの経緯、生活状況などを書くものです。
弁護士に依頼すれば、弁護士が書式を持っていますので、空欄を埋めて記載します。
具体的な記入が必要であり、項目は「職歴」、「家族関係」、「住居の状況」、「収入の状況」など、免責を許可するかどうかを判断する際に必要な情報を記述する書類です。
そのため陳述書は重要視されていて、細かくチェックもされるのでしっかりと作成をしなければなりません
2-1.具体的な構成について
具体的な構成は「職歴」「家族関係」「借り入れ・返済等の状況」「免責不許可事由の有無」「破産に至った経緯や事情]などになります。
各項目の記入するポイントについて解説していきますが、読んでもわからない場合、不安点がある場合、ちょっとでも理解できない場合がありましたら、弁護士などの専門家にすぐにご連絡いただければと思います。
2-2.各項目の記入するポイントの解説
①職歴
ここでは、借金が始まったころからの職歴や給与、返済月額、配偶者の給与などについて記載します。
職歴と給与の額は当時の生活状況を把握するための事情で、借金が返せなくなった経緯と密接に関連しますので、重要な記載事項です。
②家族関係等
ここは、申立人の家族構成を書く欄で、配偶者、父母、子、同居の親族について、名前、職業、収入、同居か別居かなどを記載します。
申立人の生活状況を見るうえで、重要な記載事項です。
親族に十分な収入があっても、破産が認められないわけではありませんので、ありのままを書くようにしましょう。
③借り入れ・返済等の状況について
ここは、多くの記載事項があります。
まず、借金のための返済をするようになった時期等を書く欄があります。
ここは、借金を始めたころは、自分の収入で返せていたと思いますが、借金の金額が増えていき、月々の返済額が増えると、自分の収入では返しきれなくなり、貸金業者から借りて、他の貸金業者への返済にあてるという風になると思います。
そのような時期はいつか等を書く欄です。
そのほか、借金を完済できないと思い始めた時期等、弁護士または司法書士に相談した時期等、破産申し立てをしようと思った時期等を書く欄があります。
いずれもありのままを書くようにしましょう。 ただし、昔のことで正確な記憶がない方もいらっしゃると思いますので、そのような場合は、覚えている限りで結構です。
そのほか、最後の取引の時期・相手・金額・使い道等、最後の返済の時期・相手・金額等を書く欄もあります。
ここも正確な記憶がない方もいらっしゃると思います。
弁護士に依頼すれば、債権者に受任通知を送り、債権者から債権届や取引明細を送ってもらいますので、それを参考にしつつ記載すればいいので、お気軽にご相談ください。
現在までに受けている法的手続き(裁判や差し押さえ等)について書く欄もあります。
裁判を起こされて判決をもらったり、差し押さえをされたりすると裁判所から書類が届きます。
これらの書類を持ってきていただければ、弁護士のほうで記載できます。
④免責申立てに関する陳述
法律には、免責不許可事由が決められており、それに該当すると免責を許可していいかどうか裁判所が判断することになります。
免責不許可事由があっても、必ずしも免責が許可されないわけではなく、裁判官の裁量で免責される場合も多くありますので、あまり心配される必要はありません。
なので、隠しごとは避け、ありのままを正直に書くことが重要です。
虚偽の記載をすると免責許可されなくなりますので、注意が必要です。
免責不許可事由に関する記載は例えば以下のようなものです。
⑤自分の財産を隠したり、壊したりしたことはないか
これをしたことがある場合は、時期と内容を書きます。
⑥クレジットやローンを組んでほとんど使わないうちに換金(質入れ、売却)したことはないか
これをしたことがある場合は、品名、購入した時期と金額、質入れ・売却した時期と金額などを書きます。
⑦ギャンブルや浪費によって借金ができた場合
時期や内容、金額について書きます。
⑧破産に至った経緯や事情について
ここでは、借り始めから年代順に、いつ、どんな事情で、誰から、いくら借り入れ、何にいくら使ったのか、生活状況が分かるように文章を書きます。
細かいことまで覚えていない方が多いと思いますが、破産に至る事情は、破産開始決定や免責許可決定をもらう上で重要な事実です。
また、ここの事情を詳しく丁寧に書くと、裁判所から、破産に至る経緯を誠実に報告しようという態度があると見てもらえます。
なので、覚えている限りで結構ですのでなるべく丁寧に、詳しく書いてください。
財産目録
「財産状況を把握するための必要な書類を提出しなきゃいけないって聞いたんだけど・・・」
「財産目録を提出しなきゃいけないって聞いたんだけど、何のことかさっぱりわからない・・・」
財産目録は、破産申立者の現在の財産状況を把握するための資料です。
破産は、申立人の収入・財産と債務を比べて、支払うことができないと裁判所が判断した場合に手続きをしてもらえます。
また、一定額以上の財産があれば、管財人が選ばれ、換金して債権者に平等に配当するという手続きも必要になります。
よって、財産目録は重要な書類です。
財産目録一覧という一枚の用紙がありますので、資産を持っている場合は、該当箇所にチェックを入れます。
次に、資産目録詳細説明書という書類がありますので、それを記入します。
資産を持っている場合は、該当するところに詳しくその内容を記載しなければいけませんが、資産を持っていない場合は、「ない」のところにチェックを入れるだけです。
以下、資産目録の項目について簡単に説明します。
3-1.不動産の有無について
この項目で所有する不動産の有無について記載します。
所有している不動産がない場合にはチェックボックスに「なし」とチェックを入れます。
わからない場合は弁護士に相談するか問い合わせをしていただければと思います。
一方、不動産を所有している場合には、登記簿謄本(不動産登記事項全部証明書)、固定資産評価証明書を元に記載します。
不動産を所有していると同時廃止事件にはならず、管財事件となります。
この場合は、個人で自己破産の手続をするのは困難ですので、ご自分でやろうと思わずにすぐに弁護士へ依頼することが望ましいと思います。
3-2.現金及び預貯金
申立者の現金と預貯金について記載します。
現金がある場合はいくらか、預貯金がある場合は、金融機関名、支店名、口座番号、預貯金の種別、金額を記載します。
また、預貯金の場合、最後に通帳を記帳した日を記載する必要があります。
通帳は、原則として、申立て日の2週間前以内に記帳する必要があります。
大変なことは添付する資料です。原則的に用意しなければならない資料は通帳のコピーです。
これは裁判官が申立者の持つお金の動きを把握するために必要なものです。
複数の銀行の口座を持っているかたは、大変ですが全ての通帳のコピーを取らなければなりません。
裁判官がしっかりとした判断ができるよう、面倒くさがらずに必ず全ての通帳のコピーを用意しましょう。
ただし、弁護士に依頼された場合は、通帳を持ってきていただければ、コピーはこちらでしますので、依頼者の方ご自身がコピーする必要はありません。
3-3.貸付金・求償金・敷金・損害金等の有無
貸付金、求償金、敷金、(交通事故等の)損害金等の有無について記載します。
貸付金、求償金、敷金、(交通事故等の)損害金等債権を持っている場合は、相手方の名前や債権の金額、回収できる可能性等を記載します。
ひな型に従って記載するだけで大丈夫ですので、特に、難しいことはないでしょう。
3-4.自動車・自動二輪車(バイク)等の有無
自動車・自動二輪車(バイク)についてですが、所有している場合には“車名”、“年式”、“ローンの有無”、“時価”などを記載します。
時価は、型式が古く、排気量も少なめで、国産車であれば、ゼロと記載していいですが、そうでない場合は、中古車業者等に査定してもらう必要があります。
こちらもひな型に従って記載すれば問題ないでしょう。
注意点としては必ず車検証のコピー“を添付するということです。
全て記載したからといって安心せずに、添付資料も忘れずに用意しましょう。
3-5.生命保険、損害保険財産処分について
生命保険や損害保険加入の有無について記載します。
保険契約の項目では、保険の名称や保険会社、加入年月日、毎月の保険料、解約返戻金(仮に保険を解約した場合返ってくる金額)などを記載します。
このとき、必ず保険会社が作成した『保険証券』と『解約返戻金証明書』を提出しなければなりませんので注意しましょう。
保険証券はお持ちだと思いますが、解約返戻証明書は保険会社に連絡すれば作成してくれます。
また、過去1年以内に解約、失効した保険がある場合は、解約日と解約時に受け取った解約、失効返戻金の金額を書かないといけません。
3-6.換金できる財産の有無
換金できる財産の有無について記載する項目では、お金に換えることができ尚且つ10万円以上で換金できそうな財産、または20万円以上で購入した財産について記載します。
例えば貴金属、高価な家具などが該当するでしょう。
3-7.処分した財産
財産処分の有無について記載する項目では、過去1年の間に10万円以上で財産を処分した経験の有無、または20万円以上で購入した財産を処分した経験の有無について記載します。
処分経験がある場合は、売却時の契約書など、処分が証明できる資料を提出しなければならないので注意しましょう。
3-8.財産の授受、養育料、慰謝料、財産分与等と財産相続
離婚に伴う養育料、慰謝料、財産分与の有無等について記載します。
離婚に伴う養育料、慰謝料、財産分与等に関しては、特に難しい項目はなく、時期や分与を受けた金額について、ありのままを記載すれば問題ありません。
その他、弁護士への預け金、退職金、公的扶助、給与、社内積立等の積立金、有価証券、遺産等について書く欄があります。
以上、財産目録の書き方について項目別に解説しました。
債権者一覧表
「債権者一覧表を提出しなければならないって聞いたんだけど、なんのことかさっぱりわからない・・・」
債権者一覧表とは、簡単に言いますと“あなたにお金を貸している(あなたが債務を負っている)人、会社の一覧表”のことです。
ここでは消費者金融会社、クレジットカード会社、銀行はもちろん、友人・知人などの個人も記載しなければいけません。
4ー1.具体的な記入方法とは
裁判所にてひな形が用意されているので、特別に難しい記載はありません。
弁護士に依頼すれば、弁護士がひな形を持っています。
基本的には、一覧表の上から順番に借入をした日付の古い債権者から書いていきます。
債権者は消費者金融会社やクレジットカード会社、銀行はもちろん、身内・知人・友人・など個人も対象です。
事業者の場合は、仕入れ先、取引先から債務を負っていれば、それも記入します。
つまり、お金を借りた、債務を負っているという場合は漏れなく記載する必要があります。
また記載を忘れがちですが、家賃の滞納や保証債務がある場合も記載する必要があります。
この債権者一覧の記入で最も大切なことが“債権者の記載漏れをなくすこと”です。
債権者の記載漏れがもしあった場合には、免責が受けることができたとしても、記載漏れをした債権者に対しては免責の効果は及びません。
つまり、免責されても記載漏れがあった債権者にのみは借金の返済をしていかなければなりません。
心配であれば何度もチェックをしましょう。
弁護士は書類作成の専門家ですので、記載漏れがないよう徹底的に確認・チェックをしていきます。
また、弁護士に依頼すれば、弁護士が各債権者に受任通知を送り、債権者から債権届(債権の内容を書いた用紙)を送り返してもらうことにより債権の内容を調査しますので、より正確な債権者一覧表の作成ができます。
また、高い利息で借りていた債権者がいれば、取引明細を送ってもらい、利息制限法所定の制限利率で引き直し計算をしますので、正確な債権額が計算できますし、場合によっては、過払い金があることがわかり、弁護士に回収してもらえることがあります。
これは弁護士に依頼するメリットの一つです。
家計表
裁判所で入手して記入し、提出しなければならない書類の1つがこの「家計表」です。
これは1か月分の家計簿をまとめた表です。
申立者が申立てをする直近1ヶ月の間の家計状況の記録を提出します。
この資料をもとに、裁判所が申立てを行うまでの間、申立者がどんな生活を送っているのか把握します。
項目は収入と支出に分かれていて、それぞれ何からお金を得たのか、何にお金を使ったのかを記入し、さらにその金額の内訳を記入します。
月単位で作成し、収入であれば給与、年金、支出であれば、家賃、水道光熱費、食費、交通費、社会保険料などの項目ごとに金額を記入し、最後に合計の収入、支出の金額を書きます。
記載はそれほど難しくはありません。
また、家計表と併せて、その月に支払った水道光熱費の領収証の写しの提出も必要です。
疎明資料
疎明資料と聞いて「?」と感じた方がほとんどかと思います。
この疎明資料とは簡単に言うと“証拠”のようなものです。
つまり、申立者が提出した書類が真実かどうかを証明する資料ということです。
自己破産手続きには必要な書類があり、大きく分けると“裁判所で入手して記載するもの”と“自身で用意するもの”に分けることができます。
このうち“自身で用意するもの”が疎明資料になります。
裁判所で入手し記載しなければならない書類の中には“債権者一覧表”や“資産目録”、“陳述書”などがありました。
それらの書類に対し、それぞれ記入した内容が真実なのかどうか、裁判所が客観的に確かめる資料が必要となります。それが疎明資料なのです。
6ー1.どんなものが疎明資料なのか
具体的には以下のようなものが必要となってきます。
■住民票
(申立人本人だけでなく、世帯全員の記載があるもの、本籍地の記載のあるもの)
■給与明細表、所得証明書(所得控除の記載があるもの)
■預金通帳コピー
■退職金支払見込み額が分かる書類
■保険証券のコピー(加入している場合のみ)
■保険の解約返戻金証明書
(借りに解約した場合にいくら返戻金があるかを証明する書類で、保険会社に連絡すれば発効してもらえます。解約する必要は必ずしもありません。)
■車検証
■無資産証明書
(ご自分が住んでいる市町村に不動産を持っていないという証明書)
■不動産登記事項証明書(全部事項証明書)
■固定資産評価証明書
■賃貸契約書のコピー(賃貸住宅に住んでいる場合のみ)
※住民票、所得証明書、無資産証明書は、役所に行けば一度にとれますが、手数料がかかります。
※不動産登記事項証明書(全部事項証明書)は法務局、固定資産評価証明書は役所で取れますが、手数料がかかります。発効日3か月以内のものでないといけないので、注意が必要です。
基本的には上記のような資料が必要になる場合が多いです。
しかし、ここで説明したのはあくまでも一般的なものです。
申立て者の財産状況によって、用意しなければならない疎明資料は異なりますので、注意が必要です。
以上、疎明資料について解説しました。
しかし、上記の説明はあくまでも一般的に必要な資料についての解説のため、不明点や疑問点が多くあるかと思います。
わからないことや少しでも不安な点がありましたら弁護士に相談してください。
弁護士は書類作成、そして破産手続きの専門家です。
相談者様の人生の再スタートのお手伝いをさせていただければと思います。
当事務所は無料相談を実施しています。
少しでも不安なことがございましたら是非、お気軽に問い合わせ下さい。