自己破産を弁護士に依頼するメリット・デメリット

弁護士記章

自己破産の手続きは、弁護士や司法書士に依頼しなければできない手続きではなく、自分自身でも行うことは可能です。
しかし、知識や手間、複雑な手続きが必要なので弁護士をはじめとするに専門家に依頼することをお勧めします。
ここでは弁護士に依頼するにあたり、依頼した際のメリットやデメリットなど、相談者様に把握しておいてほしい事項をまとめました。
一番大切なことはご相談者様の生活の再建です。

自己破産手続きを弁護士に依頼するメリット

「手続きを弁護士に依頼するメリットって何があるの?」
「弁護士にしかできないことって何かあるの?」
「弁護士に頼むべきって話を聞くけど理由がわからない・・・」

自己破産の手続きに関しては、弁護士に依頼されることが多いようです。
自己破産の手続きが弁護士しかできないことではありませんが、弁護士に依頼することでメリットとなる点があるのも事実です。

弁護士に依頼するメリットとは

2-1.破産手続きの手間をかなり軽くすることができます

自己破産手続きをする場合、債権者一覧表を作成したり、借入の経緯や生活状況、財産状況などを決まった書式に書いて提出しなければいけません。

しかし、これらの書式の書き方はそれほど簡単ではなく、初めての方にとっては、何をどう書いていいかわからず、戸惑うことばかりだと思います。

また、書き方を間違ったらどうしようという心配もされると思います。

また、必要な資料も集めなければいけませんが、どのような資料が必要で、どこで手に入るのかなど、わからないことがたくさんあると思います。

例えば、住民票を取るにしても、本籍地の記載がいる、世帯全員の記載がいるなど細かい決まりがあり、これらの決まりをいちいち確認しながら資料を集めるのは大変な作業です。

裁判所でも、破産の手続きや書式の書き方、必要な資料についてアドバイスがもらえないわけではありませんが、限られた時間で、一度アドバイスをもらっただけで、すぐに、破産手続きの細かい点まですべて理解できるわけではありません。

また、破産をするか、任意整理や個人再生など他の手続きをとるか悩んでいても、裁判所が具体的にアドバイスをしてくれるわけではありません。

一方、弁護士に依頼した場合は、弁護士は破産の申し立てに慣れていますので、準備を効率的に進めることができ、上記のような依頼者の方の準備のご負担はかなり減ります。

また、弁護士は専門家ですので、正確な書面の作成が可能になります。

例えば、債権者一覧表は、委任されるときに、ある程度のものを依頼者の方に書いていただく必要はありますが、裁判所に提出する書式は、債権者からの回答をまとめて弁護士が作成します。

また、高金利で借りている場合は、法律で決まっている低い利息で計算した債権額を書かないといけませんが、この計算も弁護士が行います。

必要な書類は、ご自分でしか取れないものも多いですが、弁護士のアドバイスにより効率的にとることができます。

また、借入の経緯や財産の状況は、ご本人にしかわらかない事情なので、依頼者の方にある程度下書きをして頂かないといけませんが、弁護士がアドバイスするので、ご自分だけで書く場合と比べてご負担はかなり減りますし、書き方が不十分なところは、弁護士が補充します。

ある程度書いていただければ、弁護士がそれをまとめて、裁判所に提出する最終的な書式を作ります。

つまり、弁護士に依頼することで手間やご負担をかなり減らすことができます。

2-2.裁判所とのやり取りや呼び出しがなく、スムーズになることもある

破産申し立てをした後も、裁判所からさらに詳しい説明をするように質問が来たり、追加の資料を出すように言われることがほとんどです。

これらに対処するのも相当負担がかかりますが、弁護士は破産申し立てに慣れていますので、効率的に、かつ正確な対処ができます。

相談者様ご自身が申し立てられた場合、裁判所から呼び出しを受け、裁判官との面接(審尋)をしないといけないことがほとんどです。

弁護士に依頼した場合も、裁判所から呼び出しを受け、裁判官との面接(審尋)をしないといけない場合もありますが、あまり問題がない場合は、書類の提出だけで、裁判所から呼び出しを受けずに手続きが済む場合も多いのです。

また、管財人がついた場合、債権者集会が開かれ、相談者様も裁判所に行かないといけませんが、弁護士が必ず同行するので安心です。

2-3.債権者からの請求が止まり、支払いをする必要がなくなる

弁護士に依頼すると、速やかに借入先に受任通知を送ります。

受任通知を受け取った債権者は、債務者ご本人に請求できなくなりますし、債務者ご本人は返済を停止することができます。

免責決定、つまり返済を免除する裁判所の決定が出るまでは数か月はかかりますが、弁護士に依頼すればすぐに、返済日が迫るたびに悩むこともなくなり、平穏な生活が取り戻せます。

これは、弁護士に依頼するかなり大きなメリットです。

弁護士に依頼するデメリット

「自己破産手続きを弁護士に依頼するメリットは分かったけど、逆にデメリットはないの?」

このように思われるご相談者様もいるかもしれません。
ここでは一般的に言われている弁護士に依頼するデメリットについてお伝えさせていただきます。

3-1.弁護士に依頼するデメリットとは

弁護士に依頼する際のメリットでは“手間のかかる作業の代行”や“債権者からの取立てに対応してくれる”などがありました。

一方でデメリットが存在しないわけではありません。

自己破産手続きを弁護士に依頼する際のデメリットとしては“費用(弁護士報酬)がかかってしまう”ことだと言えるでしょう。

弁護士法の改正により、弁護士会による報酬規定が廃止されたことで、弁護士報酬はその内容や法律事務所によってばらばらです。

弁護士に依頼する際には費用が最も気になる部分であることが多いので、HP等をよくチェックした上で“安心できる弁護士・法律事務所”を選ぶことが大切でしょう。

自己破産手続きを弁護士に依頼する際の注意点

「どの弁護士に頼んでも結果は同じだろう・・・」
「どのような基準で弁護士・法律事務所を選定すればいいのか分からない・・・」

自己破産の手続きを弁護士に依頼すると決めたら、その後は“どの弁護士・法律事務所に依頼するのか”を決めなければなりません。
悪徳弁護士と言われているような弁護士に依頼し、期待したような対応や満足いく結果が得られなかったり、中には途中で投げ出されてしまうこともあるかもしれません。

ここでは弁護士に依頼する際の注意点をいくつかを挙げていますので是非ご参考にしていただければと思います。

弁護士に依頼する際の注意点

最近ではHPを運営している弁護士、法律事務所が増えているので、このHPをしっかりと確認することが、満足いく結果につながるでしょう。

ここでは弁護士に依頼する際のポイントとして、HPのどこをチェックすればよいかを紹介したいと思います。

5-1.料金が明確であるかどうか

HP等を活用し、料金についてしっかり確認しましょう。

細かくしっかりと料金規定が明示されているところは大丈夫です。

しかし、“低料金”や“格安の弁護士報酬”などと書かれているだけで、具体的に料金が明示されていない事務所は避けたほうがいいといえるでしょう。

5-2.弁護士の紹介がされているか

弁護士紹介や事務所紹介などで、自己紹介やプロフィール、経歴、そして写真などが公開されているかもポイントです。

HPから弁護士のプロフィール、経歴、そして写真を確認し“安心できる弁護士かどうか”を判断しましょう。

5-3.相談から解決までの流れが明確になっているか

“無料相談”を実施されている弁護士も増えてきましたが、ここでは相談から解決までの流れがしっかり示されているかどうかがポイントです。

予定していなかった相談料金が発生しトラブルに発展することがないよう、まずは相談から解決までの流れをしっかりと紹介している弁護士を探されることをお勧めします。

以上、弁護士に自己破産手続きを依頼する際の注意点について紹介させていただきましたが、一番はご自身で満足いく弁護士を選択されることです。

最も安心でき、信頼できる弁護士に依頼することが何よりも大切なのです。

当事務所もそういった観点で、相談者様に心より納得されて選択していただければ幸いでございます。

ご不明点等がございましたらどんなことでも結構ですのでお気軽にご連絡いただければと思います。