自己破産すると車はとられるか

破産をして免責(借金の免除)を得ようとすると、一定以上の価値のある財産は、管財人(財産を管理する役目の人で破産を申し立てると裁判所が弁護士の中から選ぶ)に渡し、管財人がお金に換えて、そのお金を債権者に配当しないといけない場合が多いです。

車も一定の価値がある財産としてみられますので、破産をすると、管財人に渡さなければならないことも多いです。
しかし、車といっても、ピンからキリまであり、レクサス、ベンツやBMWなどの高級車から、比較的安価で買える軽自動車もあります。また、同じ車種でも、新車から何万キロメートルも走った中古車まで様々です。
そのため、自動車だから破産したら必ず車を取られると決まったわけではありません。

福岡地方裁判所では、車を管財人に渡さないといけないかどうかは一応の基準があります。
以下の基準にあてはまれば、換価(管財人に渡してお金に換えること)まではしなくてよく、持っていていいということになっています。

・国産車であること
・初度登録年度(買った日ではなく、その車が生産された年。車検証の初度登録の欄に平成○年●月などと書いているのでわかる。)から5年以上経過
・排気量が2500cc未満

しかし、これはあくまで一応の基準であり、結局は裁判所または管財人の考えで、お金に変えるように指示されることもあります。

車をお金に換えるといっても、必ずしも売る必要はありません。その車を査定して査定に見合った金額を管財人に渡せば、その代わりに自動車を持っていていいと言われることも多いです。
当事務所で破産された方も、車を持ったままで破産できた方も大勢いらっしゃいます。ただし、高級車ではなく、中古で何年も経過している車の場合が多いです。