個人再生委員
個人再生委員とは何か、どんな仕事をするのか
個人再生を申し立てた場合、裁判所が、申立を依頼した弁護士とは別の、第三者的な役割を担う者として、個人再生委員という役職の方を、弁護士の中から選任します。個人再生委員は、どの申立てについても、専任されるわけではありません。
裁判所が事案ごとに検討し、この事案には個人再生委員が必要だと考えれば専任します。
個人再生委員が、どんな仕事をするかですが、申し立てた人の財産と収入の調査を行います(223条2項1号)。
逆に言うと、財産と収入の調査をしたほうがいいと裁判所が考えた場合に、個人再生委員を選びます。
どういった場合に個人再生委員が付くのか
個人再生を申し立てたからといって、必ず個人再生委員が付くわけではありません。
裁判所が事案によって個人再生委員を付ける場合もあれば、付けない場合もあります。
一概に言えませんが、個人再生委員が付きやすい事案として、以下のような場合があります。
【1】自営業者 【2】財産が多い 【3】支払い能力がギリギリ
個人再生委員が付いた時と付かない時の違い
個人再生委員が付く場合、付かない場合で、どういった違いが起きるでしょうか。
まずは、個人再生委員は、裁判所が、客観的な第三者的立場に立つものとして、弁護士の中から選びます。この個人再生委員も仕事をするので、タダ働きというわけにもいきません。それで、個人再生委員の報酬がいるわけですが、その報酬は、申し立てた人が自分で払わないといけません。つまり、個人再生委員が付くと、再生手続きに必要な費用が増えてしまいます。おおまかにいうと、個人再生委員の費用は20万円程度です。
個人再生委員と管財人の違い
個人再生を行うと、申立後に「個人再生委員」という人を裁判所が選任することがあります。破産の管財人とイメージは似ていますが、同じような面と、違う面があります。
管財人と同じなのは、申し立てた人にも債権者の方にも片寄らず、客観的、中立的な第三者的立場である点です。どちらか一方に有利なことをするとその中立性は失われ、管財人、個人再生委員に対する信頼は失われるので、この点は非常に重要な観点です。
個人再生委員と管財人の違いとして大きなことは、いくつかあります。