3.個人再生を選択するかどうか慎重な判断をしたほうがいいケース
個人再生は、裁判所に認可決定をもらった後、3~5年で分割返済していくものなので、その期間に支払える見込みがないと認可がもらえません。
したがって、現在の収入や支出の内容だけでなく、今後3~5年間の収入や支出がどうなるかも見ないといけません。
上記理由から、支払い期間中に定年を迎える方、近いうちに支出が増えそうな方は注意が必要です。
支払い期間中に定年を迎える方
支払い期間中に定年を迎える方は、定年後に年金生活になったり、継続して雇用はしてもらえるものの嘱託社員などになったりと、給与が下がる場合があります。この場合、収入が減るケースもありますが、収入が減った後も個人再生の支払いが続くので、それでもなお支払っていけるかどうか、慎重に検討したほうがいいです。
福岡の裁判所では、個人再生は、予測家計表というものを作って、提出することになっています。予測家計表では今後の収入と支出の金額を予測して書きます。この予測家計表は、①現状の収入のもの、②定年を迎えた後のものの二種類を作るのがいいと思います。定年を迎えた後のものでも個人再生の支払いを続けられそうであれば大丈夫です。
定年で収入が低くなった後、支払いが厳しくなる場合は検討が必要です。朝雲法律事務所では、3~5年間の支払い期間中、機械的にずっと同じ金額を支払い続けるのではなく、定年前は多めに、定年後は少なめに支払うなど、支払い期間中に収入が下がる予定の方には、それに応じた再生計画案を作るように心がけています。
また、定年後の支払いが厳しいようであれば、破産も選択肢として検討する余地が出てきます。
近いうちに支出が増えそうな方
近いうちに、大学や専門学校等の進学を控えるお子さんがいるなど、支出が今後増えそうな方も注意を要します。この場合、学費や遠方の学校に行って一人暮らしする場合の生活費をどうやって賄うかを検討しないといけません。例えば、学費は奨学金を借りる、生活費はお子さんにアルバイトをしてもらう等で、その全部または一部をカバーする方法もあります。また、支払い期間中に定年等で収入が減る方と同様に、学費がかかり始める前に多めに返す内容の再生計画案を検討することもできます。
場合によっては、進学を控えたお子さんの学費のことを考えて、破産を検討する余地もあります。
朝雲法律事務所では、個人再生を行う方に、進学を控えたお子さんがいらっしゃらないかどうかについても注意して、個人再生を申し立てるようにしています。